第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.
素直じゃないのに素直な所が
この人の魅力かなぁ?
憎めない男だ。
日曜の午前中。
1人で家を出た私は、
街で偶然出会った不死川カップルと
何故か買い物を一緒にしてもらった。
というのも、
私がある物を買うのに手間取っていたからで。
観る予定の映画までには
まだ時間があるとかで、
彼女さんの方からの申し出で
手伝ってもらう運びとなったのだ。
不死川くんからしたら、
きっと迷惑なハナシだ。
私としても、とても申し訳ない。
貴重な2人の時間に
割り込んでいくわけだから。
だけど、
優しげに見える彼女さん。
割と押しが強いといいますか、
1度決めたら貫き通すといいますか。
不死川くんもそれを良く知っている為に
結局は、折れてくれざるを得ないという…
大変申し訳ない結果になってしまったのだ。
私だってちゃんとお断りしたんだよ?
デートの邪魔するとか、
あり得ないでしょ。
不死川くんじゃなくても怒るよ。
だけど、愛する彼女が
私を手伝うと言ってきかないのだから
不死川くんとしても
もうどうしようもなかったのだろう。
あぁ申し訳ない…
だけど、無事、目当ての物を手に入れて、
こうして
お昼からの映画を観る為にお別れが出来る今
不死川くんのホッとした顔と、
それを見てもあまりショックじゃない自分に
私は少し喜んでいた。
私の心が、前に進んだという事なのだ。
それがどういう事なのかは、
まだはっきりとはしないけれど、
この頃仲良くしてくれる彼が
影響している事は明らかで…
なかなかうまく話せない時もあるけれど
それは、単に気まずいからじゃなく、
私自身が
感じたことの無い気持ちに
戸惑っているからなんだと気がついていた。
今だから言えるけれど
不死川くんへの恋心は、恋に恋するというか…
男の子、というよりも、
10年振りくらいに、
まともに話せる友人が出来たという
その喜びの方が大きかったような。
恋してる自分に、恋してたと思うんだ。
でも今は、
あの彼には
違うような気がする。
仲良く出来たら嬉しいのに、
どこか居心地悪くて、
なのにそばにいないと淋しいし
…
どうしたらいいかがわからない。