第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.
「…うそでしょ、」
あ、
心の声が…
「ウソじゃねぇや。
こんなふうに曝すつもりなかったのに…
でも言っちまったモンはもうしょうがねぇ。
あーあ」
「あーあって…」
これが想いを告白した人の態度だろうか。
どうしてこんなに投げやりっぽいんだろう。
「あーあだよ。こんな告り方あるかよ。
俺とした事がだぞ!くそ…」
そうぼやいたかと思うと
じとっと私を見下ろして
「落ちつかねぇのがお前だけだと思うなよ。
むしろ俺の方がパニクってんだからな」
「えぇ…なんで
パニクり自慢みたいになってんの…」
「したくもなるだろー?もうヤケだ。
傷心の俺様にちょっと付き合え」
さっきとは逆に、
今度は私が腕を掴まれて
ぐいぐいとどこかへ引っ張られた。
「わ…!待ってよ、」
引かれる力の強いこと。
そして歩く速度の速いこと……
「時間がねぇんだ、走れ!」
更に強く引っ張られ…
「またぁ⁉︎」
横断歩道を渡るだけで
ヒィヒィ言っていたというのに
今度は一体どこまで走らされるのか…
「今日じゃなくてもいいでしょー⁉︎」
彼の手を振り払おうとするけれど
強い力に阻まれる。
「今日行くんだよ!どうしても!」
道ゆく人を避けに避けて
彼は上手に私を誘導してくれた。
「なん、で…!もう無理ー!」
「早ぇな!まだまだ先だぞ」
「歩いてこうよー!」
「間に合わねぇんだって!」
「なににー‼︎」
もう怒りを通り越して呆れだ。
かと言って逃げられるわけもなく
私は腕を引かれるまま走るしかなかった。
彼のスピードがあまりにも速くて
だんだんと可笑しくなってきた私は
そのうち笑い出し、
それにつられるようにして
彼も笑いながら
どこかもわからない目的地に向けて
走り続けたのだった。