第41章 輪廻 〜if〜 後
「ペット⁉︎」
「ちょっと弱ってるとこ見せたら
すぐに拾ってくれるとか…」
「おい!」
「ごめんって!だってそんな…
本気だなんて思わなかったんだもん」
そりゃ……
俺、思いっきり勘違いされてるよな。
自分は拾われたペットで、
憐れまれてるんだと
間違いなく勘違いしてるはずだ。
俺から、可哀想なヤツだと思われてると。
違うだろ睦…
でも俺が、大学に入りたての頃
コレを拾ったのは紛れもない事実だ。
でもそれだって、…いや、
言い訳はしねぇよ。
「…いい。取り返す…」
俺の決意は、
「用があんなら、月曜にまた学校来い」
睦ただ一点に向けられて
他の事を考えている隙なんか無くなった。
失った信用は、簡単じゃねぇ。
でも、絶対ぇ取り返す。
「わかっ、た…」
呆然としたように俺を見上げ、
そのひと言と同時にドアが閉まった…。
コンコン…と、
静かな空間にノックの音だけが響いた。
当然のように、返事はない。
人前で泣くような女じゃねぇのに、
あんな無遠慮に涙を零すなんて
よっぽどだったよな。
「睦、入っていいか?」
できる限り、穏やかな声を出すものの無言。
「睦、なんか言え。入るぞ」
「いやだ…!」
ドアの向こうから聞こえて来たのは
間違いなく、泣いている時の声だった。
震えたような哀しげな声。
そんなの聴かされたら
今すぐにでも飛び込んで行きたいが…
そんなことしたら逆効果だ。
グッと堪えて、
「何でだ、」
「泣き止むまで待って」
「…そんな事あるかお前。
泣いてるからそばにいてやりてぇんだろ」
「泣いてなかったらそばに居たくないの」
「あ、そういうコト言うんだな。
揚げ足取るんじゃねぇよ、入るからな」
「やだったら…!はい、って、来たら…
もっと、泣く…っから、!」
「もっと泣くなら絶対ぇ押し入るからな!」
「泣き、終わっ…たら出てくから!」
「終わらねぇだろ!」
「っ!」
声を喉に引っ掛けたように息を飲む睦。
そうだよ、1人で泣き止めるような
キズじゃなかったはずだ。