第41章 輪廻 〜if〜 後
先生がここにいたとしても、
そうやってカギを開けていた…?
それはもうさ、
ソウイウご関係でいらっしゃる…
ってことで…。
いやいや、私の勝手な妄想だ。
だって先生がそんな事するわけない。
私のこと好きだって言って、くれた、よね?
必死にそう思い込もうとしていたのに、
「新しいペット?」
そんな絶望的なひと言を
最も簡単に…
なんなら笑顔で言ってくれる。
なんだって?
ぺっと?
ペット…
確かにね。
それっぽい状況だ。
私なんか拾われた捨て猫そのものだよ。
え…そうなの先生。
待てよ『新しい』ってなんだ?
私が新しいペットという事は、
その前にも居たって?
古いペットが。
「今回は随分と可愛らしい子なのねぇ…
実はね、私もその昔、
彼に拾ってもらったんだよ」
古いペットこの人だった!
そりゃ暗証番号知ってるわ!
変えろよ先生!
あれ?待ってよ、私ペット確定なの⁉︎
でも、…ほんと私たちって何なんだろ。
どんな関係性?
先生と生徒以上、と先生は言ってはいたけれど
…恋人?
好きだけど、好きって確認し合えば自動的に
恋人という関係になれるシステムなんだろうか。
ひとり頭を悩ませていた所へ
「優しいから、落ちてる子ほっとけないのよね。
ちょっと弱ってるとこ見せたら
しょうがねぇなってすごく良くしてくれて」
その人は身も蓋もない事を言った。
それ知ってる…
『しょうがねぇなぁ』って、口癖みたいに。
私は、なんだ?
足元が崩れていくみたい…
でも私、
…私、先生のことは信じてるよ…?
「おい‼︎」
突然飛んで来た大きな声に
私はビクリと身を竦ませた。
「誰だてめぇそこで何してやがる…‼︎」
エレベーターホールの方角から
一瞬でドアの隙間に姿を現した先生。
ドアに掛けた腕には
白いビニール袋が下げられていた。
…エコバッグ持ってけって言ってるのに。
ゴミ袋に使えるからとか何とか…
そうやって言い訳ばっかりするんだ。
「お前…っ」
その女の人と顔を合わせた途端に絶句。
でもその後すぐに、
「何しに来た‼︎」
驚きに満ちた目で吠えた。