第41章 輪廻 〜if〜 後
あの向こうにこの人が立っている…
留守だと諦めて
このまま帰ってくれないかな。
そう願いながら息を凝らしていたその時…
ガチャ…
と、レバー式のドアノブが下がり、
ドアの隙間から光が差した…
え、カギ…開けた…?
ここのカギ、暗証番号ですけど。
…知ってるって事はさ、…もう確定じゃん?
知り合い以上ってことだよね?
少しずつ開いていくドアに、
緊張が高まっていく。
私のいる場所から玄関のドアまで、
一直線なのだ。
リビングへ続く廊下の数メートル…
これだけの距離じゃ顔もわかるし声も届く。
あ、ヤバい…
このままじゃ思いっきり鉢合わせ…
「もー、居留守だってバレバレよー?
珍しく気配しまくりだって………」
少し高めの綺麗な声。
長い髪を掻き上げながら
呆れたように言った台詞を途切れさせ
息を詰めた。
…私も同じく、息を凝らす。
お化粧ばっちり、
モニターで見た通り白い上品なスーツ。
ライトブロンズのハイヒールに
同系色の大きな皮のバッグ…。
しばし凝視め合ったまま、
お互いに動けなくなった。
突然の来訪者と居候との睨み合い(?)は
「…あれ?家間違えたかしら?」
そんな相手のひと言で終わった。
「…えぇ、と…」
「いやいや、間違えるわけないわ、
ドア開いたし」
その人はもと来た道を振り返り、
周りの景色も見渡して
ここで間違いない事を確かめていた。
…私は間違いであってほしかったけれど。
「宇髄、さんち、で間違いないわねぇ?」
「そですね…」
「ああ、よかったー!彼ご在宅?」
ホッと息をついたその人は
急に馴れ馴れしくなった。
そうされると割と人見知りの私は
1歩引いてしまうのだ…
「いえ…留守です…」
「あら!そうなの……あなたはー…」
困ったように指先を頬に充て
私を眺めながら少し悩ましげにする。
そうなのよ、留守なんです。
それなのに勝手に玄関を開けて…
この人は私がいなかったら
一体どうするつもりでいたんだろう?
ずかずかと部屋に入り込んで
部屋主の帰りを待っていたの?
ていうかだ。
そもそも、…