第41章 輪廻 〜if〜 後
長年ひとりで立ってきた私が
誰かに寄りかかる事を知った反動たるや
それはそれは大きなもので
私の想像を大きく超えて来た。
だって先生のそばはとっても心地いい。
お酒なんか飲んだ事ないけど
酔っ払ったらこんな感じかなぁと思わせる。
こんなに信頼しちゃって大丈夫かなと
自分で心配になる。
これで裏切られたらって
チラと思うけれど
先生ならそんな事ないと思う自分もいて…。
私は揺れているわけであります。
「…お前のひと口、どんだけでかいの」
フランスパンを切っていた私の背中から
呆れたような声がかかった。
……
ひと口大にして、って言われていたんだ。
でも私の手元にあるのは、
手のひら大に切られたパン。
「食い意地張ってんの」
カラカラ笑いながら
先生は冷蔵庫を開けた。
「違いますー!大きい方がお得感あるんですー」
精一杯の言い訳をしつつ、
私は慌ててパンを刻む。
「…だからぁ食い意地張ってんだろー?」
冷蔵庫をあさりながら
余裕たっぷりに先生は言い返す。
「食い意地じゃないの」
「何を考えながら切ってたんだか…」
「えぇ…ッ」
核心を突かれて驚いた。
確かに、余計な事を考えながら切っていた…
「かっこいい宇髄センセーがそばにいるから
浮かれてましたか」
「違うわ!
こんなんでいいのかと思ってたんだわ!」
「なんのハナシー?」
ジロリと
こちらにねちっこい視線を投げて寄越す。
「パンがおっきかったってコトー」
「うそつけ、このやろ」
片腕が伸びてきて
長い指が私の両頬をぎゅうっと掴んだ。
「あにふんだお、はあへ!」
「なぁに言ってんだかわかんねぇなぁ」
「うほうきはへんへーや!」
「うるせぇ、お前がウソつくからだ」
聞こえてんじゃん!
「もう、痛い!」
先生の手を掴んで引き剥がし
ペイッと乱暴に払い落とした。
「包丁使ってんだよ⁉︎危ないな」
「こんなんでいいって何の事だよ」
覚えていたとは…。
まぁ当然か。
「いいじゃーん。こっちのハナシだよ」
ヘラっと作り笑いをしてから、
「先生、早く閉めないと
冷蔵庫に怒られるよ?」