第41章 輪廻 〜if〜 後
睦はくすくす笑い出した。
余裕ぶっこいてんなぁ…
「幸せぇ」
なんて言いながら甘えてくるけど、
ほんとにわかってんのかな。
自分でも戸惑ってるくらいなのに。
だって1人の女に、
ここまで惹かれた事がなかった。
ちょっとしたお遊び。
それが俺のスタイルになっていたから。
それなのにここへ来て
いきなりの本気モード。
その危うさをこいつはわかっていない。
わかってねぇんだよ睦。
深い想いを抱えた俺に対して、
「私、先生と一緒にごはん作りたいなー」
そんな無邪気な事を口にしやがる。
「はいはい。姫の仰せのままに」
俺はもう、そう答えるしかなかった。
奴隷、ってヤツですか…。
え?恋の奴隷?
この俺様が…?
ほんと、かっこつかねぇの。
「次はー?」
「パン切って終わりだ」
「もう⁉︎簡単だ」
翌日。
強力な助っ人のおかげで
本当に学校をサボった私たちは
私の願い通り、ごはんを一緒に作っていた。
作る、と言ってもほんの下拵えのみ。
簡単美味いの、
ホットプレート上でのチーズフォンデュ。
茹でた海老やフランク、
ブロッコリーにじゃがいもかぼちゃ
にんじん…はあんまりいらなかったけど
先生がちゃんと食べろというから仕方なく…
ひと晩経てば、胸の不具合もそれなりに回復。
私はなにを意識する事もなく
快適に過ごしていた。
メニューを決めたのは先生だ。
「今日の昼メシはチーズフォンデュにしまーす」
大きな冷蔵庫を開けて
先生がそう叫んだのがはじまりだった。
チーズフォンデュなるものが
家庭で出来るなんて思いもしなかった私は
大いにはしゃいでしまった。
それを少し恥ずかしく思っていたのに
先生といえば満足そうに笑うばかりで、
まるでバカにする気はないようで……
こんな調子じゃあ、
私はどんどんダメになっていく気がする。
先生はとりあえず私を甘やかそうとするから
私が気をしっかり持たなくちゃ…
と思いつつ、
なんだかんだ日常的に甘やかされると
それに慣れてしまうのも事実で…