第41章 輪廻 〜if〜 後
「そっか…」
「…学校、行きてぇか?」
何となくそんな気がして
問いかけると
睦は長い髪の先を弄りながら
「そう見える…?」
何でもないのを装って問い返してくる。
自分の気持ちを曝す前に
俺の意見を聞こうとしているように見えた。
「何となくな。お前はズレたこと嫌うから」
「…さすがぁ」
嬉しそうに笑って
睦は俺の顔を真っ直ぐに凝視めた。
「私の事、考えてくれたんだよね?
ありがとう…。すごく嬉しい」
清々しい笑顔だが、
その先の言葉がわかってしまう。
こいつは、欲がねぇなぁ…
「だけど、いいの。行きたい所なんてない」
ほらな。
そう言うと思ってたよ。
「だけどね、学校に…行ける気もしないんだ。
だから明日は、休んでもいいかなぁ?」
さっきと同じ笑顔なのに、
何故か泣き出してしまいそうに見えた。
「当たり前だ。ゆっくりしてろ。
…それで、…俺もそばにいていいのか?」
「…いて、くれるの?
でも先生は、授業があるでしょ?」
「悪ィが、睦の方が大切なんだ。
お前が望むなら、俺はここにいる」
「ありがと…。先生…いて欲しいよ…
ごめんなさい…」
笑うくせに、その目から溢れた涙。
「謝るなよ。いいんだよ、
そうやって言ってくれるのが俺は嬉しいから。
ちゃんと言ってくれて、ありがとな」
頬で睦の頭を撫でる。
そうやって、全身で俺に甘えていればいい。
睦が心地よく感じるのなら
俺はずっと寄り添ってるから。
「ずっと、2人でいられるの…嬉しい」
「そうか。…行きたいとこ、ほんとにねぇの?」
「うん…」
さっきからこの返事、
何となく歯切れが悪ィんだよなぁ。
…ほんとはあるんだろう?
しょうがねぇヤツ。
「そうかよ。…俺は、あるないっぱい。
睦と行きてぇとこ。
連れてってやりてぇとこも」
「そうなの…?」
俺の言葉に食いついて
睦はもたれさせていた上体を
スッと起こした。
…顔をしかめながら。
「そりゃそうだろ。
俺の好きなモン見せてぇし、
お前の好きなとこも知りてぇし…」