第41章 輪廻 〜if〜 後
「不死川先生と何話してたの?」
「不死川…?」
「うん。さっきの電話、」
「あぁ、」
俺の顔を見るでもなく少し俯き加減。
…不安に思っている時の仕種だ。
今日あんな事があったばっかりだ。
心も痛むだろう。
いっぺんにとは言わねぇが
ちゃんとしてやらなきゃな…
「明日、お前をどっか連れてってやれって」
かっこつけるのもどうかと思い、
ありのままを口にした。
「明日?」
「そ。3連休だな。好きにできるぞ」
「明日金曜日だよ」
「ん?あぁ、そーね」
軽く返事をすると
睦はまさかと目を見張りこちらを向いた。
「1日まちがえてない?」
「ねぇよ。俺らだって曜日感覚くらいあるわ」
「じゃだめでしょ。サボったりしちゃ」
「不死川センセーがいいって言うなら
……いんじゃね?」
「不死川先生、そんなこと言う人なの…?」
まず言わねぇよな。
ああ見えて常識人だから。
「お前のためなら変わるんだな」
今日のあの一件で
睦の事情を詳しく知った。
察しのいいアイツなら
1から説明しなくてもわかるだろう。
それを踏まえての甘やかし。
生徒の心を1番に、なんて
そんな男には見えねぇが、
睦はずっと真面目にやって来たし
成績だってトップクラスだ。
その睦が抱えて来たモンを目の当たりにして
何も感じねぇほど冷てぇ男じゃねぇ筈だ。
「…宇髄先生はなんて言ってるの?」
「おぉ?んー…宇髄センセーは
睦を楽しませてやりてぇなーって言ってるよ」
わざと他人事のような言い方をしてやると
睦はプッと吹き出した。
「悪い先生がいっぱいいるなー」
「そうかぁ?良い先生の間違いじゃねぇの?
サボらせてくれるんだぜ?最高じゃん」
「くふふ…そうかも、」
額を俺の胸に擦り寄せて
睦は可笑しそうにした。
「で?どっかあんの?
別にここに入り浸るでもいいし。
不死川はどっか遠くに連れてけって言ってたな」
「遠く?」
「あぁ。多分、
顔見知りが居ねぇとこって意味だろ。
どっかで鉢合わせでもしたら厄介だからな」