第41章 輪廻 〜if〜 後
「痛ぇんだろ?
心配もさせてくれねぇのかよ」
睦の心に揺さぶりをかける。
心配してるのは本当なのだ。
どっか悪ィなら
今すぐ病院に連れてかなけりゃ
俺の気が済まねぇ。
「おい睦、
ちゃんとしてやりてぇんだよ。
どう見たって大丈夫じゃねぇだろ?」
気持ちや態度の事には寛大な俺も
身体や体調の事となったら話は別だ。
本人にしかわかり得ないことだけに
少し焦ってしまう。
「薬が要るか?どこが悪いか言え」
矢継ぎ早に問いかける俺に
睦は
「違うったら!もういいから…っ」
耐えきれないような声を
押し出した。
ひと言しゃべる度に
睦の声に苦しみが増していく。
「よくねぇんだよ!わかんねぇヤツだな」
わざと怒ったような声を聴かせると、
「なに…っ先生が悪いんじゃん!」
俺とは裏腹に涙声にも似た震えた声で
怒りながらやっと話を前に進めた。
「俺、の、何が悪ィんだよ」
俺なんもしてねぇだろ…。
…してねぇよな…?
なのに睦は
ものすごい勢いで睨みつけて来る。
あれ…俺したの?悪い事……
「だって…!私やめてってお願いしたのに…
あんなにっ…む、胸ばっかり弄るから
お湯があたるだけでも…いた、いし…
動くと…服が擦れて…っ」
はー……
睦から聞かされた事実に
魂が飛んで出そうになった。
…言いづらかった理由も、
難なく頷けるくらい衝撃的な内容だし。
え?胸?…ってさっきのアレ?
俺が、やりすぎたから…
揺れて擦れないように
胸抱えてる、…ってこと…?
「……あー、…ゴメンナサイ…」
よしよしをするつもりで伸ばした手を
すんでの所で躱された。
軽く…いやいや、すっげぇショック。
「やだ…っ、もうさわんないで…」
真っ赤に染めた顔を背けて…
何なら両腕に胸を抱えたまま身体ごと
向こうに向けて
うぅっと泣き出してしまいそうで…
本能的にやばいと感じた俺は
「悪かった悪かった、えぇとほら…
可愛くてつい…ネ?
あんな声聴いちゃったら
もっとってね、欲張った俺が悪かったから
泣かないで…!」