第41章 輪廻 〜if〜 後
「別にぃ…」
ソファに膝裏をくっつけて
ゆっっくりと腰を下ろす。
小さな衝撃すら与えないように
気をつけているみたいに見えた。
「別にって事ねぇだろ」
「だって…」
はっきり言わない睦。
きっと、言葉にしてしまうのを拒んでいる。
俺には言いたくねぇってか。
だけど、
睦の言いたい事はもうわかっていた。
十中八九、当たりだろう。
少し前にも、それを匂わせる発言をしたから。
でもそれを俺から言ったんじゃあ意味がねぇ。
睦の口から聞きたいんだ。
腕を組んだまま、
背もたれに背中を預ける事もなく
じっと膝を見下ろしている睦に
「何でも聞くから。ほら、」
できるだけ優しく声をかけながら、
キッチンを出てリビングまで行く。
睦のつま先を挟むように両膝を突き
「不安は解消しようぜ?」
両手をソファの座面に置いた。
「私が……」
言いかけたのに、
やっぱり踏ん切りがつかないのか
目を泳がせて口をつぐんでしまう。
こういうのも、
イラつかずに待ってやれるんだよな…
むしろ、もっと焦らされてもいい。
睦の事に関しては
いっぺんに知りたくないのだ。
少しずつ少しずつ…
ゆっくりわかりたい。
こんなん自分でもどうかと思う。
でも、こんな楽しい事はねぇ。
楽しい事は長く続いた方がいい。
「ゆっくりでいい。待ってるから。
それとも、言いたくねぇか」
話してもらいたいのに、
ちょっと譲ってみたりして。
でもそれだって本音だ。
睦が隠したいというのなら
それもまた一興。
俺の手で暴くまでだ。
「そんなんじゃないけど…でも、」
睦は遠慮がちに俺を見上げて、
「…ほんとに、言ってもいい…?」
可愛さ満点に問う。
オッケー‼︎と親指を立てたい所…
グッと堪えて、
「何でも言え。全部、受け止めるから」
なんつって真面目ぶってみたりして。
だってこうでも言わなけりゃ
睦は揶揄われてると勘違いしやがる。
「…ん。私の居ない所でしか出来ない話があるのはわかってるけど」