第41章 輪廻 〜if〜 後
『チッ…』
小さいがはっきりと舌打ちが聞こえてくる。
ほんとにめんどくさがってね?
『茶番はオワリだァ。明日、どうすんだよ。
ま、安心できる空間がありゃそれでいい。
俺が余計なこと言わなくても
てめェならなんとかすんだろ…?』
「そーねぇ…」
現実逃避…
嫌なことを忘れさせる…
どっか連れて行く…
…いや待てよ。
「…なぁ、現実逃避なんかさせるとしてよ?
帰ったら引き戻されるワケだろ?
そん時、…ツラくねぇか?」
『てめェ誰に訊いてやがる。
そんなモン本人に訊きやがれ』
「日常の中で安心できなきゃイミねぇだろ?」
俺が真剣な事を悟ってくれた不死川は
『現実に戻る時にツラくならねえくらいまで
引っ張り上げてやりゃいいじゃねぇか。
お祭り騒ぎはお得意だろォ?』
同じく真剣にアドバイスをくれた。
「…確かに楽しむのも
楽しませるのも好きだがな」
それ通用するんだかしねぇんだか…
『何だ、睦相手にすると
さすがの宇髄も怖気付くのかァ?』
俺の気も知らねぇで楽しそうに笑う。
まぁ、
「反論はできねぇなぁ…」
『オイ、マジなのかよ』
「マジだよー?何で?」
『いや……いつも、
面倒事には首突っ込まねえだろう…?』
「そうなんだよなぁ…
でもこれ、面倒じゃねぇんだよ」
今までの俺なら間違いなく面倒だった。
他人の家庭の事なんてどうでもいいし
関わり合いになんかなりたくなかったはず。
なのに…
睦の事だと思うと全く平気なんだ。
自分でも驚いてる所だ。
『…そうなのか…』
感慨深げに不死川は呟く。
…親か。
「なによ、その言い方。
…あー…そうねぇ…
俺、明日出張にでも行こうかね。
それで睦には熱でも出してもらって…」
『ククッ…そりゃいいなァ。片棒担いでやる』
「まーじで。ありがてぇなー」
『礼はなんか甘いモンでいいぞ』
不死川は嬉々として言う。
甘いモンって…
「まぁたかよ。
お前絶対ぇなんかの病気になんぞ」
『じゃ俺にカラいモン食えってのかよォ』
「極端だなぁおい。そうじゃなくて、
控えなさいって事でしょー?」