第41章 輪廻 〜if〜 後
さっきの言葉から
先生の強い怒りが伝わってきた。
その怒りは間違いなく私のためで…
…だから私は、先生のする事に従うよ。
私のためを思ってしてくれているから。
私の事を考えて動いてくれているから。
ちゃんとわかってるよ。
今のはただね、びっくりしただけなんだ。
私は目を閉じて再び先生に埋もれる。
ふわりと、私の頬を撫でて、
「睦…ツラいか」
先生は私にお伺いを立てた…
首を横に振って見せると
「よかった。…お前がツラかったとしても
やめてやれねぇから…」
唸り声にも似たその言葉が、
本気である事を語っている。
あの人が私に会いに来たことを、
本気で怒っている。
悪いけど私は、
もうあの人の所に戻ってあげる気はないから
私の事を全力で守ってくれる先生に
全てを委ねる事に決めたんだ。
先生は私みたいに間違わないから。
先生の良いことが、
私にとっても良いことだってわかったの。
私は先生と一緒にいたい。
「…悪ィ不死川。
校長んとこ連れてってくれねぇか。
俺も後で行く…」
…あれ?
そう思って、
先生の胸にくっついたまま見上げた。
「ん?」
「…大丈夫」
「あぁ、わかってるよ。
でもお前…泣いてるぞ?」
「えぇ…っ」
驚いて、
先生から腕を解き自分の頬に両手を充てる。
すると指先に冷たいもの…
全然知らなかった。
「でも、…怖いとか悲しいとかじゃないよ」
本当に。
「そうか…?でも俺は
お前泣き止ます事の方が先なんだよ。
だから不死川、頼む」
先生は殊勝な態度。
それを見て不死川先生も頷かざるを得ない。
「わかってらァ」
宇髄先生が、
両手で私の頭を固定しているから
不死川先生の顔が見られない。
あの人の様子もわからない。
わざと見せないようにしているんだろうけど。
だけど、あのヒステリックな声がしない。
って事は…
そうとう気落ちしているのかもしれなかった。
2人が美術室を出ていく音がして、
用心深く、もうしばらく待ってから
「睦、このまま帰ろう」
先生が額にキスをする。