第41章 輪廻 〜if〜 後
え?
「帰る…?」
「こんなとこ居たくねぇだろ」
「だってさっき、後で行くって…」
不死川先生にそう言ってたのに。
「お前をひとりに出来ると思うか?
ここだろうが家だろうが、
今お前をひとりにする気はねぇ」
「先生授業中でしょ」
「そんなモンどうとでもなる」
ならないって。
「私は大丈夫なんだってば」
「大丈夫じゃねぇくらい泣いてんの」
「これは安心しただけだもん」
勝手に流れてくる涙を
なんども拭って、
絶対に大丈夫な事を自分で確認する。
「いいんだよ。
あの女の事は校長がなんとかしてくれる。
連れてった不死川もその話を聞くだろう。
そしたらあいつは、あの女を許せなくなるから
これからもし何かあったら
不死川も力になってくれる。万々歳だなぁ」
「…不死川先生呼んだのそのためなの?」
「ん…?ンなワケねぇじゃん。
ヒマこいてたから連れて来ただけだ」
「……」
「ンだよ。ウソじゃねぇし」
「煉獄先生は?仲良いくせに」
「煉獄はだめだ。優しいから。
お前の母親だって知ったら
あの女にもいいようにしちまうだ、ろ…」
どうやら
余計な事を言ってしまった事に気がついた先生は
言葉の勢いを失わせ
チラリとこちらに目を寄越した。
「…へぇ」
「不死川も優しいのよー?」
そういう事じゃない。
「…あの人が来た事、わかってた?」
「……あぁ、下から見た時、
睦の様子がおかしかったから
もしかしたらって嫌な予感がしたんだ。
万が一と思って不死川を無理やり
連れてきた。そしたら案の定だ」
いつのまにか涙の止まっていた私を
もう1度そっと抱きしめて、
「俺がそばにいてやりてぇんだよ。
たまにはいいだろ?」
甘えるように擦り寄った。
…甘やかすのが上手なくせに
甘えるのもうまいとか。
もう堪らないんですけど。
「そんなワガママなら大歓迎かも…」
「聞いてくれんの?可愛いヤツ」
先生の『可愛い』のツボは相変わらず謎だ。
「でも…このまま帰ったりしたら、」
「大丈夫だ。校長は必ず、理事長に話すだろう。
理事長なら絶対ぇ黙っちゃいねぇ」