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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





平衡感覚が保てなくなり
私はその場に膝を折った。

それでも掴まれた腕が
ぐいぐいと引っ張られて、
私の身体は床に寝そべるみたいに
伸びていく…

毎日のように聞いていた
あのヒステリックな声が
私に向かって何かを叫んでいるようだ。
だけど、耳が詰まってしまって
…まるで水の中に沈んだ時みたいになって
まったく聞き取れなかった私は
少しも反応ができなかった。

自分がそこにいる感覚すら失いかけたその時
バキバキバキッと、
ものすごい破壊音が耳に飛び込んで来る。

瞬時に反応は出来なかったけれど
ぼやけた視界になんとか映り込んだのは、
廊下から通じる準備室の戸が開け放たれて
そこに大きな人影が立っている光景だった。

視界も耳も頭も身体も…
なにひとつはっきりとはしなかったけれど、
あれが誰で、何をしに来てくれたかは
すごくよくわかっていた…

「…せ、…せ…」

声にならない声が口をつく。

こんな声じゃ届かない…

先生、たすけて…
連れ戻されちゃうよ、…
私ずっと、先生の所にいたい。
もうあんな事したくないの……



「睦‼︎」



…‼︎

「…っげほ、…ごほっ…」

肺いっぱいに酸素が取り込まれて…
それがあんまりにも勢いよくて
耐えられなくなったのか
咳が止まらなかった。
ヒュッと喉の奥が鳴ると、

「睦…!よかった…
ゆっくりな、…ゆっくり…」

きっと慌てているのは自分の方なのに
私の背中をゆっくりと撫で下ろしてくれる。

準備室の床の上。
私は先生に抱きしめられていた。
意識を失っていたのだろうか、
急に場面が変わっていて混乱する…

「…っせん、ごほっ」

「喋るな!俺に合わせて、息してろ。
こうしてるから…」

「せんせ……こわか、っ…」

喉に声が絡まってうまく話せない。
私を強めに抱きしめてくれた先生は

「…ごめんな睦。ごめん遅くなって」

つらそうに謝った。

先生は何も悪くないのに。
謝らないでほしい…

「せんせ、の…そばが、い…っ」

「あぁ、わかってるよ。ここにいる」

当たり前のようにそう言ってくれる先生。
安堵感が全身に広がっていく。

見捨てられたりはしない。
私は、これからも先生のそばにいてもいいんだ。
よかった…


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