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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後






「ひどい事したのは…あんただよ…?」

何を言っても無駄だと知りながら
私はそう言わずにいられなかった。

「わかったよ。
これでもちゃんとしたの選んでるんだ。
でもこれからはもっと、」

「これからなんてない…!
ここはあんたが来ていいとこじゃないから!
もう消えて!」

「睦、いい加減にしなさい!
ほら帰るんだよ」

苛立ちを含んだ声がする。
久しぶりに聞いた、
私を押さえつけるような話し方。

長年しみついたクセなのか、
つい言いなりになってしまいそうになった。
でもなんとか、それを振り払う。
また逆戻りなんて冗談じゃない。
私にはもう、…先生がいる。

私を捉えようと歩み寄るヒール。
そうして近くに来て初めてわかった。

すごくやつれてる…
いつも化粧もして
服にも気を遣ってたのに
いっぺんに歳をとったみたい。
もう別人のようだ。

私がいなくなって、金が無くなったら
男にも逃げられたのだろうか。

「来ないで‼︎」

うまく動かない足に必死で力を込めて
私は何とか距離を取る。

「何言ってるの、あんたのお母さんじゃないか。
子どもは親の所にいるのが当たり前だろ。
可哀想にあんな男に騙されて」

「うるさいな!先生を悪く言うな!」

「騙されてるんだよ。ここだって見てごらん、
こんな狭い所に閉じ込められて…
美術教師だって言ってたからここだと思ったら
やっぱりその通りじゃないか」

「もう出てって!私に構うな!」

「私がちゃんとしてあげるから、ほら帰ろ」

こっちを向いているはずの目が、
私を見ていない。
もう気が触れているとしか思えなかった。

こうなると、違った意味で怖い…。

伸びて来た骨張った手が
私の腕をむんずと掴んだ。
その瞬間、喉の奥がヒュッと鳴って
まったく息が出来なくなってしまった。
正確には
吸っているのに吸えない感覚だ。

息を吸っているのに呼吸が出来なくて
だからまた吸い込むのに
やっぱり苦しいままで…

指先が痺れてきて、
目もおかしくなってきたようで、
外側からざわざわと真っ黒いものが
中心に向かって迫り、
どんどん視界を奪っていく…



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