第41章 輪廻 〜if〜 後
厳重にかけた鍵をすべて開けると
許可もしてねぇのにガラッと戸が開いた。
そこには、
ちょっと機嫌の悪そうな…
もしかしたら緊張をしているだけ?の
さっきの男子生徒が立っていた。
「ほんとに来た…」
ついくちをついた呟きに頬を赤らめ
「先生が来いって言いました」
フイっと目を逸らす。
「いやー…
別に絶対ぇ来いっつったワケじゃねぇけどな…
つうか文句あんなら来いって意味だ」
「文句だらけです」
「なんでよ。俺何もしてねぇし
問題起こさねぇように
めっちゃおとなしくしてんじゃん」
「さっきのは何ですか?」
「えぇー…」
いきなり核心を突いてくるのかよ…。
せっかく関係ねぇハナシして
逸らしていたというのに。
うまく根回しできていたはずだったけど。
「さっきのって?」
「櫻井さんですよ」
とぼけて見せた俺に苛立ったのか
戸に手をかけ中に押し入ろうとする。
「櫻井が何よ」
それを咄嗟に阻止して
俺は自らの体で壁を作った。
「すごく仲良さげですね」
「そーね。生徒と教師程度にはな」
「僕はこの間、櫻井さんが
話らしい話をしているのを
初めて聞きました。
ほぼ1年過ごしてきて初めてです」
「…へぇ…!」
睦のヤツ、
クラスでもそんなんだったのか。
本当にずっとひとりでいたんだな…
「さっきも、僕の事は避けたのに
先生の事は随分と頼ってるみたいだし」
「そりゃあ……悪ィけど
話した事ねぇヤツよりは
多少気の知れてる俺を頼るモンなんじゃねぇの」
「……そうですね。
彼女は今、保健室ですか」
「いや?そこで寝てる」
「え⁉︎」
サッと俺を避け室内を覗き込んだそいつは
ソファの上にこんもりと膨らんだブランケットを
きっと見つけた事だろう…
今度は俺をガッと見上げて、
「あんなに調子悪そうだったのに
こんな所に置いておくなんて
おかしいでしょう!」
正面切って嚙みついて来やがった。
…まぁ常識的な考えだがな。
「櫻井にも色々あんだよ。
それぞれ落ち着いていられる場所は違うだろ」