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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「うぅう…」

それでも尚、
涙を止められない私の目の前にしゃがんで
躊躇う事なく

「俺がいる」

強く言って抱きしめてくれる。

それだけで、
本当に大丈夫だと思えるから不思議。

大きく息をつくと、
多少落ち着いた事を察してくれたのか、
先生はクッと顔を上げ、

「悪ィな。こいつは俺が請け負うから、
お前は授業行け」

「…どういう事ですか」

男子生徒の声は、
さっきとうって変わって硬いものだった。
混乱を極めているのだろう、当然だ。

生徒と先生のこんな姿、
おかしいと思わない方が間違っている。

「櫻井をどうにかする方が先だ。
今は引け。話なら昼休みに聞く」

昼休み…?
その時に話すの?
名前も知らない人に私の事を?

いやだいやだ。
…先生やめて。

私は泣きながら
先生の胸に額を押し付けて
何度も首を横に振る。

「……!」

先生はそれに気づきハッと息を凝らした。

「…大丈夫だよ。わかってるから」

大丈夫…
わかってる…

たったのそれだけで、
先生はちゃんとわかってくれていると
すんなり受け入れることが出来た。

だけどさっきの恐怖がまだ消えない。
ガタガタ震え出した私を治めるように
先生は背中をトントンしてくれる。

「ほら、立てるか?」

立ち上がるために、
先生が少しだけ力を入れた。
だけどそれにはついていけず、
ずるっと滑り抜けた私の身体を
先生が抱え込んで簡単に持ち上げてくれる。

「先生櫻井さんは…」

「なぁによ、
お前のせいじゃねぇからもう行けって。
予鈴鳴るぞ。…あ、」

先生は私の事を連れて行こうとしかけたけれど
ふと踏みとどまり、

「余計なこと言いふらさねぇように」

それだけピシャリと言い置いて
私をズルズルと引きずり始めた。
強制連行される私が頼るのは
ちょっと強引なこの人で、
それがなんだか心地いいというか…
私を決して悪いようにはしない、
この優しい人にすべての信頼を置いて。
…それなのにちっとも不安を感じないのは
どうしてだろうと…
朦朧とした頭で考えていた。




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