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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





吐き気をもよおす程の不快感に
私はその手を思い切り跳ね除けてしまった。

「…っ⁉︎」

私も、自分がしてしまった事に驚いたけれど、
その男子生徒の方がもっと驚いていたと思う。

「…櫻井、さん…?」

「あ……ごめん…ほんと大丈夫だから!」

戸惑っているその人を振り切ろうとしたのに

「待って!櫻井さん!」

大声を上げたかと思うと
今度は背を向けた私の腕をむんずと掴んで
力いっぱい引き止めた。

——こわい…!

私の事を逃がしてくれない。
思うようにさせてもらえない。
強い力でねじ伏せられる…

過去に受けたそんな記憶が呼び起こされて
私はその場に崩れ落ちてしまった。

「いやだ‼︎はなして…!」

掴まれた腕を自分の方に引き寄せるのに
ちっとも離れないそこは、

肘と手首のちょうど真ん中辺り…
治りかけの、あの痣と奇しくも同じ場所…

あぁ、…もうだめだ。

「どうしたの櫻井さん…!」

いきなり取り乱した私を
どうにかしてくれようとしている。
善意だよね。
わかってる。
わかってるけど……

「うぁあ…っ」

涙は止まらないし、
へんな叫び声が口から漏れる。
身体のどこにも力が入らない。
震えるばかりの情けない私は
どうにかしたいのにちっとも動けなくて。

逃げ出したいの。
怖いよ、
助けて…!

そう強く思った時、
私の腕を強く握っていたその手から
ウソみたいに簡単に解放された。

同時にあったかい腕に包み込まれる。
押し付けられた鼻先に、だいすきな香り。
誰のものかなんてすぐにわかる。

私は一も二もなく、その背中にしがみ付いた。

「先生…う、腕が…ぁ、」

唇が震えてうまく喋れない。
無様な私をそっと抱きしめて

「大丈夫だ」

強く言ってくれた。
先生が言うなら大丈夫だよね。でも…

「ちがうの…腕…また…っ」

まだ掴まれた感覚が残ってるんだ。
またあの痣が濃くなっちゃうのかなぁ?
いつまでも、治らないのかな。

「大丈夫だよ、ほら…な?」

先生の背中に回していた私の手を手繰り、
その大きな手で
さっき掴まれた場所をさすってくれた。


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