第41章 輪廻 〜if〜 後
「…へぇ」
「こっちが納得いくようにしてれば
情報のリークはしない。でもその代わり
こっちの条件もちゃんと飲めって」
「…それでもかなり危険な橋じゃね?」
「性欲処理が済めばそれでいいんじゃない?
どっかのお店に行って見られでもしたら
今時ネットにおもしろおかしく書かれるし
店側が配慮したって、
個人的にアップしちゃえばそれまででしょ。
イメージ1番の大企業ですから…。
その点、あの人はお金さえ手に入れば
そんな余計な事しないし」
「……」
「別にもういいよ?私元気だし」
「…よかねぇよ」
先生は話を聞く前よりも
納得がいかないように見えた。
モヤモヤを募らせた先生は
両腕を強く巻きつけて私を抱きしめる。
これはもう、さっきとは違って
はっきりと文句を言えるくらいに息苦しい。
だけど、私は言わなかった。
息ができないのに、
文句なんてひとつも出てこない。
だって…嬉しかったから。
この人が私のことを悲しんでくれているのが
すごく嬉しかった。
私なんかの事で申し訳なく思いつつ、
喜んでいる自分にひどく戸惑いながら
私は無意識に先生の背中に腕を回していた。
「いいよ。やり直すのはもう無理だけど…
先生のおかげで前向けたから大丈夫」
私を抱きしめる腕がぴくりと揺れる。
動揺したのが見て取れた…
「俺の…」
「ん。先生のおかげだよ。
ここに置いてくれて…
他にもめんどくさい事してくれて。
先生になら頼ってもいいって思えたよ。
先生からしたら
私みたいなのほっといたら後味悪いからって…
それだけなんだろうけど、
私にとってはすごく大きな事だったんだ。
私なんか透明人間かなぁって思ってたから」
「アホ言え。
透明なモンか、ちゃんと見えてるわ」
全力で否定して、
「後味悪ィなんてモンじゃねぇ。
あのまま見過ごしてたら、
俺は自分を許せなかっただろう。
ちゃんとしてやれてよかった…
睦をとりあえず助けられたのは俺の誇りだ」
苦しそうに吐き出す先生……
だけど…
「…言い過ぎじゃない?」
誇り?ってなに?
そこまで?