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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





こいつが俺に、何をしただろう…?

これといって目立った事はしていないはず。
ましてや俺の気を惹こうとなんて
するワケもなくて…
どっちかと言えば煙たがられていたくらい。

俺が、こいつに惚れる要素が
どこにあったのかって言えば……


あんなにツラい目に遭ってきたくせに
泣きもしねぇ、縋りもしねぇ。
笑いながら構うなと
俺の手を振り払い続けた。


きっとなぁ、
…そん時からだよ。
まんまと掻っ攫われたのは。

ただの高校生のくせに
すべて諦めたみてぇな目ぇしやがって。

気にするなって方が無理なハナシだ。

最初はもちろん、
まるっきり保護者の気分でいた。
それがこのむず痒いような感情に変わるまでに
そう時間はかからなかった。

一緒にいる毎に意識する。

俺の言葉に素直に頷く仕種や
本当は寄り掛かりたいくせに
意地を張ってしまう姿が健気で…。

そばにいる俺に頼れ。
頼ってほしい。
そんな思いから、
こいつを甘やかす事を考えるようになり
……結果、このザマだ。

俺はもう、
こいつの教師じゃいられなかった。
だけどそんな気持ちを曝すほどアホじゃねぇ。
どうにかして押さえ込むつもりだ。


俺は距離感がおかしいと思われているから
抱きしめるくらいなら、許されるはずだ。
こいつだって今は、
全身で俺に寄りかかってくる…

「…あったかい…」

ため息のようなひと言。
そうだ、

「ほら、ちょっと待ってな」

湯をはらなけりゃ
いつまでもこのままだ。

「メシはもういいか?」

「ん…もう食べられない…
ごめんなさい…」

俺に謝ってんのか、
それとも食材に謝ってんのか…

誰へともなく謝罪する睦。
まったくもう…

「謝る必要はねぇよ。俺が全部食うから」

「……へ?」

伏せていた瞼がふいっと開けられた。
俺の胸に頬を当てたまま
ジィっと何かを考えている。

「…待って、私の食べかけ?」

ようやく気づいたようで
俺の方にきゅっと顔を向けた。
…仕種がいちいち可愛い。
抑えがきかなくなるからやめてくれ。

「残すのは胸が痛むだろ?」

「うん……でもだからって…!」




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