第39章 輪廻〜if
あまりメシを食う気にもならず、
早々にベッドルームに戻った。
ふとベッドを見て…
ちっこいのが寝てるのが見えて…
……隣に寝るとかあり得ねぇか。
しょうがねぇから今日は譲るかなと思って
リビングへ戻る前に
はだけた毛布を直してやろうと腕を伸ばすと
強く閉じられた瞼の隙間から
涙が流れているのが見えて、
どうしたモンか悩んだが
ガキだろうが年寄りだろうが
女を1人泣かせておくのはどうにも居心地悪くて
……
素肌だけでなく制服にさえ触れないように
きっちりしっかり毛布でくるみ直してから
ぎゅうっと抱きしめてやった。
寝ながら泣くってなんだろうな。
寝てる間しか泣けねぇワケでもあんのかよ。
余計な拾いモンしちまったなー…
これからどうすんだコレ。
ややこしいの、ごめんなんだけどな…
すごーく、
気持ちいい…。
それからすごーく、いい匂い。
それに誘われるように瞼を開けた。
視界に広がるのは……
知らない場所だ!
私はがばっと体を起こした。
少しひんやりした室内。
ぐるぐるに巻きつけられた上質な毛布。
大きすぎるくらいの、ベッド…
どう見ても寝室っぽい…
寝室…!
ハッとして、毛布の中の自分に
意識を集めた。
…服は、着てるっぽい。
胸を撫で下ろした私は
また室内を見渡してみた。
インテリアも全体の色も落ち着いた雰囲気だ。
休む場所、って感じ…。
なんだろう、悪い人の予感がしない。
この部屋を見るだけで
ここの持ち主が
まともな人間なんじゃないかって…。
…まともな人間なんていないと思ってる私が
そんなふうに思うのもおかしいけれど。
これどうしたらいいのかな。
もう1度横になることも、
ベッドから立ち上がる事も出来ずに悩んでいると
ドアの向こうに人の気配を感じた。
誰かが…
『誰か』ってこの部屋の持ち主に決まってるけど
その人が向こうの部屋を
動き回っているのがわかる。
そのうち、
パタパタと近づいてくるような足音がして
ゆっくりとドアのレバーが動いて
そっとドアが開いた。
……