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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第39章 輪廻〜if
























「は…?」

もういい?
何も良くない。
話は終わっていない。

「私今日は帰らないから」

まだ靴を履いたままの私を絶望させるには
充分なひと言。

「もうお待ちかねなんだよ」

そう言ってリビングの方を見遣る。

「あんた演技のひとつでもしなさいよ。
せっかくいい身体してるんだから
ウソでも可愛く善がれば相手も満足するでしょ」

相変わらず信じられない言葉を吐きやがる。
私はこいつにとって人じゃない。
人間扱いされたことなんて1度もない…

それなのに、
私はなにをやってるんだろう。

バタンとしまったドアの音が、
今まで私がして来た事を
全て否定するもののように聞こえた。

この女の為にしてきたの?
母親だと思って、
そう信じて…

でも向こうは、
私のこと
自分の娘だなんて思ってないよ…?

だけどそんなの、
今に始まった事じゃないのに。

私は
知らないフリをしてた。
気づかないフリをしてた。

少しでもいいから…
ほんのちょっぴりでいいから

私のこと好きだって思っていたくて。


だって私のお母さんなんだよ…?



「いつまで待たせるつもり?
ママに捨てられてショックうけてるの?」

私の家の中で、知らない声がする。

お待ちかねのお客サマですか…。

あの女が連れてくるのはいつも、
優しそうで上品で、
金を持っていそうな男。
どこでどうやって引っ掛けてくるんだろ。

もう何もかもどうでもよくて、
とりあえず靴を脱いだ。
重たい体を何とか持ち上げる。
リビングに続く廊下に立って前を向くと、

「マジで女子高生かよ」

「あれだけ金を取られたんだ。
ウソだったらお仕置きじゃ済まさないよ」

ラグの上に、男が2人座っているのが見えた。
『2日分働いてもらうよ』
その言葉の意味が、今わかった。

指先が震え出したのがわかる。
怖くて暴れ回ってしまいそうだった。

「あれー?泣いちゃうのー?」

ガラの悪そうなのと、

「2人を相手にするのは初めて?」

優しそうなのが揃って立ち上がる。
私は迫り来る地獄の鬼を前に
1歩後ずさった。


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