第20章 柱稽古とお館様
杏寿郎を見送ってから2日後、ようやく意識を飛ばしそうにならずに柱側としての稽古を完遂し、実弥からこの屋敷を出る許可が下りた。
「4日間お世話になりました!体力や腕の筋肉が一段と上がったように思います。いつも……本当にありがとうございます」
天元の屋敷を後にする時もそうだったが、会えばいつも気にかけてくれて優しくしてくれる人とこうして別れる瞬間、更紗の胸は張り裂けるような痛い悲鳴を上げ、涙が意志とは関係なく滲んでくる。
「泣くなァ……女に泣かれるとどうすりゃいいか分かんねぇんだ。お前は生きるために、守るために赫刀をモノにして力の強化もしてんだろォ?なら今生の別れってわけじゃねぇだろ」
勿論それはそうだ。
だが鬼側が万全の体制で挑んでくる以上、柱と言えど命の保証はないも同然。
「はい……実弥さん、私ともう1度指切りげんまんしてください。そうすれば涙も止まると……思います」
「……指切りってそんな何回もするもんか?まぁ、それで泣き止むならしてやってもいいが」
快い実弥の返事に更紗の表情はいきなり明るくなり、一瞬前までの悲しい表情が嘘だったのではと思わせるほどだ。
「ありがとうございます!はい、実弥さんも小指を出してください」