第20章 柱稽古とお館様
2人の力が均衡していたからか……鬼へ対しての怒りの感情が人一倍強いからか……実弥の日輪刀は更紗が染めるまでにかかった時間より遥かに速い速度で染め上がった。
無事に3人の日輪刀が赫く染まったことにより、稽古を切り上げ実弥の屋敷へと戻ってきた。
早速杏寿郎は赫刀のことを伝えるために本部へ要を飛ばし、現在は与えてもらっている部屋で更紗に見守られながら帰り支度を進めている。
「俺はそろそろ帰るが、何か確認しておきたいことなどはないか?今なら要や神久夜を飛ばさなくていいので、すぐに答えてやれるぞ」
ここ2日で様々なことが起こりうっかり忘れていたが、実弥の屋敷へ来る前に考え杏寿郎に許可を取ろうと思っていた話を思い出した。
「あります!私、これから悲鳴嶼様、無一郎さん、冨岡様の元へ向かうのですが、そこでも力の向上を試みたいと思っているのです。勝手に行動するより先に杏寿郎君の許可をいただきたいなと考えていました。いかがでしょうか?」
事も無げに言ってのけコテンと首を傾げる更紗の頭を撫でるが、心配からか眉が僅かに下がっている。
「構わない。俺からも皆に連絡を入れておくが、あまり躍起にならなくてもいい。更紗の覚悟や想いは痛いほど伝わる。しかし無理をしすぎて体調を壊しても良くないからな」