第20章 柱稽古とお館様
必ず訪れる闘いで更紗には自分にしか出来ないことを成し遂げなくてはならない。
何よりも大切で尊重しなくてはいけないもの、何にも変えられない重いもの……人の命を救い守らなければならないのだ。
「かしこまりました。皆さんを守るため……両親との約束を守るために必ず自分のものとします。お相手、よろしくお願いいたします!」
当初は真剣で打ち合うつもりなど無かったが、赫刀が鬼に対して有効な攻撃手段だと認識された今、それを手にするには手段を選んでいる暇はない。
「更紗は何も考えず俺を信じて全力で刃を振るえ!全て受けきってやる!」
「はい!」
こうして日輪刀を赫く染めるための稽古が始まった。
そんな中で更紗の脳裏に過去奪われた多くの大切な人たちや嘆き悲しむ人々の顔、そしてこれから絶対奪われたくない人々の姿が思い浮かんだ。
(杏寿郎君が刃を赫く染めたのは鬼に対する怒り……思い出すのも辛いことがありますが……それが力になるなら)
決意のこもった刃は杏寿郎の日輪刀を強く打ち続けるも、言葉の通り全て受けてくれるので何の心配もなく全力で振るい続けられる。
「手に意識を集中してみろ!原理は分からないが、腕から手にかけての力が関係しているはずだ」