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鬼滅の刃【短編集】

第1章 生きてるだけで【煉獄杏寿郎】


先日、お腹に愛しい彼との子どもがいることがわかった。

それを離れた両親の墓に伝えるために、久しぶりに駅舎に来た。

「久しぶりに列車に乗るな〜…ふふふ、お前も楽しみなんだね」

そう言って元柱 唄羽は自分のお腹をそっと撫でる。



炎柱の煉獄杏寿郎と祝言をあげたのはもう数ヶ月前。

任務で忙しくなかなか家に帰ってこない日々も多く寂しいこともあったが、いつだって労り、優しくしてくれた。

いつだって明るく眩しく、太陽のような人。
柱の時も、柱を辞めた今でも変わらず大切にしてくれる。


そんな彼との子どもが今自分のお腹の中に居るんだと思うと嬉しくてたまらない。


しかし、旦那である杏寿郎は1ヶ月ほど前から任務に出ている。

戻ってくるのもまだ先だろうし、安定期に入るまでは伝えないでおこうと決めた。
いらぬ心配をかけたくなかった。


お腹が大きくなって動けなくなる前に、離れた両親の墓前には伝えて置きたくて久しぶりに列車に乗ることにしたのだった。






ゆっくりと流れて行く景色を見ながら父親になった杏寿郎の姿を想像する。

きっと優しく太陽のように子どもと接してくれるだろうなと思うと、思わず
口角が上がる。


「ふふ、幸せだろうな…」


そうして過ごしていると後ろが騒がしくなる。

「あああああああ!!おい伊之助!!!!」
「はははは!!!すげーな!!!」


ふと振り返ると羽織を着た3人の少年がいた。




ー…鬼殺隊であった




その瞬間、唄羽は額に嫌な汗をかく。



(どうして、ここに、鬼殺隊が…まさか、おにが、?)

無意識のうちにそっとお腹を守るような体制をとる。


今の私は刀も無い、ただの一般人で鬼が来ても何もできない。

先ほどまでの幸せな気分は消え、緊張で体が強張る。



先ほど後ろで騒いでいた少年達がこちらを通り過ぎる。


「うーん。煉獄さんはどこだろう」

そう、背中に大きな木箱を担いだ少年が呟いた。



(そんな、杏寿郎がここにいるの…?)

会いたい気持ちと、柱である彼がここにいる意味にその場で蹲りたくなる衝動に駆られる。




少年たちはそんな唄羽のことなどつゆ知らず前の車両へと進んでいく。

思わず唄羽も立ち上がりついていく。


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