第79章 家族の形$
胡蝶と何を話してきたのかと思えば、名前で呼んで欲しい、とは。
確かに夫婦になったのだから、名前で呼び合うのが普通なのだろうが……
まぁ、彼女から言い出してくれたお陰で名前を呼べる様になったのだから、良いきっかけだと思えばいいのだろうか。
「夕飯は誉枝(たかえ)が拵えてくれた牡丹鍋が……蜜璃さん、どうかしたのか?」
隠の部隊に所属していた誉枝潔(たかえ きよし)料理好きが高じて近々自分の店を構えようと奮闘中。
年齢は伊黒より二つ年上なのだが、何かと世話を焼いてくれる気の置けない友人の一人である。
い、言わなくちゃ。
今しか、言えないかもしれないし……
ぐきゅるるるー。
盛大に鳴ったお腹の虫に赤面しながら、蜜璃は声を振り絞る。
「お、小芭内さん。夕飯の後、ちょっとだけお話してもいいかしら……」