第79章 家族の形$
「………赤ん坊なァ、嫌いじゃねェが…」
どうしても父の姿がチラつく。
酔っては暴れ、母を殴りつける父の姿は今でも脳裏に残っている。
俺は親父とは違う。
そう思ってはいるが……
泣き喚く子供が煩いと思ってしまう自分もいる。
いざ、その時になって訳もなく自分たちの子供を殴ってしまったとなれば……
そう思うと怖くて仕方ないのだ。
「情けねェ……」
こうしてうじうじ悩むのも、心細いと思うようになったのも、以前の自分ならこうはならなかった。
ただ強さだけを求めていた、鬼を殺すことだけに執着していた修羅の様な自分が遠のいていく。
残された俺が偽物なのではないかと思うくらいに。
でも、これこそが現実で、今の俺にとっての一番大事な事なのだ。