第79章 家族の形$
「………」
彼女の気持ちを知り、嬉しい反面、もう少しだけ二人の時間を紡ぎたいとも思う。
相反する思いが不死川の胸中で交差する。
「私では……母には未熟、ですかね?」
「違う……俺は、もう少しだけ幸と二人の時間を過ごしたいと思ってる。もちろん、子供も欲しいのに変わりはねェが……だから、その……大事にしたいんだ、全部」
「……実弥さんの気持ち、嬉しいです」
「幸?」
「私、ちょっとだけ焦ってて。ひさばあが生きてる内に曾孫を見せなきゃとか、周りがどんどん赤ん坊を抱いてて……」
徐々に啜り泣く様な呼吸になっていく幸を不死川が抱きしめる。
「幸……」
「私、全部出来てなくて……」
「心配するな。幸以外の女を娶る気は無ェからな」