第70章 咲くは朱なれど散るは白
彼と見た景色が、彼を想う心が。
今の私の、原動力だ。
だから、決して彼を傷つけさせはしない。
「血鬼術・藤の加護 二式!!」
ぐっ。
冨岡と白藤が指を繋ぐ。
冨岡の体に刻まれた藤の花の紋様が輝くと、二人を包むようにして、藤の蔦が這い回り、球状になる。
蔦で出来た籠は六芒星の篭目編み。
即ち、蔦の籠は結界だ。
「白藤……」
舞山さえ、驚いた。
龍神の神気を得た今の自分であっても、こうまで精度の高い結界は構築出来ないだろう。
白藤の行動で思い知る。
彼女が、あの若者に向ける思いこそ、愛なのだと。