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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


「いいえ、勿体ない……お言葉です……」




涙を浮かべながら、返答する彼女の頬に手を差し伸べる。



そうだ、こういう光景を何度か見た気がする。



霧のかかる記憶の中で、白藤はいつも傍らに居た。



寄り添って、笑い合って、そんな日々が幸せで。



いつしか彼女に惹かれていって。



病の身でなければ、身分も外聞も全て捨て去って、彼女を連れて都から出ることも出来たはずだ。



「それ以上は、許さない……」



今まで聞いたことの無い硬い声音に白藤は瞠目する。




「義勇、さん……?」



目の前に居るのは、俺の知らない彼女で。


当時を知らない俺には入り込めない何かがあって。


何も知らない、自分が腹立たしくて。


こんなにぐちゃぐちゃな気持ちは初めてで。


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