第52章 審神者代理
「見つけました。」
言うが早いか、レンは影分身を3体出して素早く駆け出した。
七海から離れても能力の強化はまだ続いているが、空気が抜けていくように徐々に弱くなっていく。
この効果が切れる前には何とか仕留めたい所だ。
広間で遊んでいた五虎退と乱は、いきなり現れた2人のレンに驚いて尻餅をついた。
それに構わず、音を辿って塀近くの草むらに突っ込んでいく。
ー見つけた…!
素早く印を結んで氷千本を出すと、あっという間に串刺しにした。
レンは、転移装置の屋根の上で立ち上がり、仕留めた機械を手に乗せる。
次いで甲殻を乱雑に外すと、中の機材を氷千本で潰して完全に破壊する。
ふと、耳と目の感覚を確かめると、既にいつも通りになっていた。
「間に合いました。」
レンはそう言って屋根から降りると、氷千本で壊した機械を七海達に見せる。
影分身も全て仕留められたようだ。
広間の庭先に2機、広間の屋根の縁に1機。
これで敷地内全ての蜘蛛を仕留めたと思いたい。
七海、長谷部、瀬戸は、口をぽかんと開けて、呆然と壊れてバラバラになった小さな機械を見遣る。
次いで、助けを求めるようにレンを見た。
勿論、レンに意図は伝わらず、彼女は不思議そうに3人を見ては首を傾げた。
見かねた大和守と燭台切は苦笑いする。
「あのね…。これ、レンにとっては普通のことなんだよ。」
「ごめんね、驚かせて。」
大和守と燭台切は3人を宥めた。