第52章 審神者代理
「そんな小さい物、見たって探せないでしょう?」
七海は不思議そうに首を傾げた。
「近くにいれば、音がしますから。」
「音?」
「キーンっていう耳障りな音を出すんです。」
「…お前、あんなちっちゃな機械からモスキートーンを聞き取れるのか。」
瀬戸は驚いた。
普通はもっと大きな機械から音を拾うものだ。
七海は少し考えた後、
「ちょっと試してみましょうか。」
と言ってレンの背に回り、手を当てる。
「今から、あなたの聴力と視力の能力を上げるわ。それで、大体の数が掴めるんじゃないかしら。」
「そうだな。数さえ分かれば後はなんとかなるだろう。」
瀬戸も七海の言に賛同する。
「いくわよ?」
「はい。」
七海はレンに一声かけると、念を込める。
「我、汝の力を引き出さん。汝の力をもって不浄の物を探し出せ。」
七海がそう唱えると、レンの体にチャクラが流れてきた。
聴覚と視覚が一気に跳ね上がり、キーンと言う音がレンの耳に木霊する。
人の話し声。
草木の掠れる音。
上空の風の音。
音のする方を見る度に、レンの瞳は拡大と縮小を繰り返す。
レンは、不快気に眉根を寄せると聴覚に集中する為に目を閉じる。
モスキートーンは全部で4つ。
広間の方向に3つ。
転移装置の屋根の上に1つ。