第52章 審神者代理
途中で瀬戸を拾い、五稜郭へと入っていく。
正門前で車から降りると、七海は玄関へは入らず、五稜郭の所以である塔に歩いていく。
「ここに入り口なんてあるんですか?」
「審神者は普通こちらから入るものなのよ。」
塔の内の1つの前で止まると、七海は着物の裾から紙札を取り出し、何の変哲もない外壁に押し当てた。
すると、紙札がすーっと消えて、代わりに観音開きの木製扉が現れる。
「え…。入り口…?」
大和守は驚き目を瞠る。
「見えなくする術が仕掛けられていたってことですか…。」
レンは悔しそうに仏頂面を作った。
「ま、普通は騙されるわな。」
瀬戸はそう言って、にっとレンに笑いかけた。
レンは見抜けなかった悔しさから、ちっと舌打ちをする。
「だがまぁ、騙されてくれなきゃ困るのよ。警備がザルになっちまうからな。」
瀬戸は、言いながらレンの頭を小突いた。
おそらくはこの前の、潜入のことを言っているのだろう。
レンは、瀬戸からすーっと目を逸らせておいた。