第84章 新たな拠点、新撰組
「…何があったか聞いてみたい気もするが…、聞かねえ方がいいだろうな。」
加州を見た原田はそう言って笑う。
「そんなに気持ちがあるんなら、土方さんにでも言えば通るんじゃねえか?采配してるのはあの人だしな。」
「それより、俺んとこに来ねえか?楽しいぜ〜。」
「うーん。」
「やめとくよ。」
大和守と加州は息ぴったりににっこり笑うと、永倉はがっくりと項垂れた。
原田はそんな永倉の肩を励ますように叩く。
「元気だせって、新八。あぁ、因みに俺んとこも大歓迎だぜ。」
「「沖田君一択で。」」
それを聞き、原田はからからと笑った。
「僕は土方さんの下につきたいです。」
堀川も便乗する形で会話に入ると、永倉と原田は目を見開いた。
「お前、物好きだな〜。」
「あの土方さんを選ぶたあ…。」
そこで、二人の中に昨日の堀川様子が思い出された。
土方を心底慕っている様は、珍しいという他に嬉しい想いも湧き上がる。
口煩いところはあれど、彼あっての今だ。
ぽっと出の伊藤ではなく、土方が支えてこその新撰組なのだ。
その土方を選んでくれるのは、二人にとっても我が事のように鼻が高い。
「いいぜ、俺達が口添えしてやるよ。」
「土方さんは隊を持ってねえからな〜…。そうだ!小姓なんてどうだ?土方さんだって細々とした雑用をしてくれる奴がいた方が勝手がいいだろ。」
原田と永倉の言葉に、堀川の目が嬉しそうに輝く。
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
これで、堀川も希望が通るだろう。
見守っていた燭台切と乱は、小さく笑ってそっと息を吐いた。