第84章 新たな拠点、新撰組
「お前ら、仲いいな〜。」
戸口から声がかかり彼らが一斉に振り向くと、そこには永倉、原田が立っていた。
「よっ。お前らが着いたって聞いたからよ。ちと遊びにきたぜ。何話してんだ?」
「さっき、平助の名前が聞こえた気がしたんだが…。」
原田が尋ねると、加州と大和守は閃いたとばかりに顔を見合わせてから、二人へと走り寄る。
「僕たち、あなた達の隊のどれかに配属になるんだって!」
「だから沖田君の班に入りたいんだよね!」
「…何で八番隊を選ばねえんだよ…。」
永倉は残念そうに肩を落とす。
「総司の班っていやあ、一番隊だ。だが、いいのか〜?相当キツイぜ?何せあの総司が頭に立って稽古も指導するからな。」
「そうだぞ。根を上げて隊を変えてくれって泣きつく奴も多いぜ?」
原田の言葉に永倉が力強く賛同するも、それで怯む二人ではない。
「大丈夫だよ。僕達、こう見えて結構鍛えてるし。」
「それ以上にキツイ事なら散々叩き込まれたしね。」
大和守に次いで答えた加州は、つい最近まで受けていた修練の数々を思い出す。
それは、時に山の中をひたすら走らされ、時に獅子の子落としの如く、縦横無尽に木の上や崖を飛び回わされ…。
その度に、怪我をしたらどうするのか、と問うと、レンは決まってこう言った。
『何かあった時はカバーしますし、怪我しても治せますから問題ありません。』
―問題大有りです、って一度言ってみたかった…。
事実、骨折くらいの怪我はあったが、レンがさっさと治してしまうので、文句のつけようがなかった。
「問題ないよ。あれ以上の苦行なんかこの世にないから。」
加州はげんなりとしながら呟くように言う。