第84章 新たな拠点、新撰組
「あいつらは、邪魔立てしただけですか?それとも殺意を持って襲いかかって来ましたか?」
「いや…、新見を守る様に動いていて、攻撃すればし返す、といった具合だった。」
土方の言葉に、やはり、とレンは眉を顰めた。
昨日の時間遡行軍といい、今まで刀剣達から聞いてきた奴らとは毛色が違う。
或いは、昨日の様な事がいつ起こるとも限らない。それは目の前の彼等も然り。
「あいつらの弱点は、刀です。」
レンは時間遡行軍の弱点を教える事を決めた。
「刀…ですか?」
「はい。刀が心臓のようなものなんです。刀を折れば奴らは消えます。」
「…何故知っているか聞いても?」
困惑と僅かな疑心を含んだ瞳に、レンはあくまで淡々と対応する。
「私も奴らの弱点が刀である、ということくらいしか知りません。私達の組織も解明に至っていませんから。天敵ではありますが。」
嘘は言っていない。
「名前はあるのですか?」
「さぁ?名前は知りません。」
これは嘘である。
それは兎も角も、レンにはまだ腑に落ちない。
「私達を引き入れたのは奴らを倒したからですか?」
他の目的がある様に思えてならない。
レンの目を見て、山南は苦笑する。
「それも含めて、と言った方がいいでしょう。沖田君と土方君によれば、道が開けると思ったから、だそうですよ。」
それを聞いたレンは俄かに驚いて土方を見る。昨日、邸を出る瞬間まで敵意を剥き出しにしていたのではないだろうか。
見られた土方は小さく舌打ちして、そっぽを向く。レンの目にも心なしか照れている様に見えた。