第84章 新たな拠点、新撰組
「俺達の目的は、新見と繋がりがあるフードの男を探し出し、排除すること。」
「我々の現状を意図的に作り出しているのは、おそらくその男なので…。形勢逆転を図るのならば大元を断つことが望ましいのです。」
レンはそれを聞いて、首を傾げる。
「何故、フードの男が大元だと思うのですか?」
「それは…、まずは俺達の成り立ちから話した方がいいだろう。」
土方はそう言って、腕を組む。
「俺達は、元々は江戸の浪士だ。
ある時、浪士組募集のお達が出てな。俺達はそれに集い、上洛した。だがな、ここに着いた途端、募集を出した奴が盤上をひっくり返しやがった。倒幕をしようと言いやがったんだ。そんなことをすりゃ俺達は賊に成り果てる。そんなものになる為に俺達はここに来たわけじゃあねえ。江戸にとって帰る奴らと離れて俺達はここに残った。」
「残ったのが我々だけだったらまだ良かったんですけどね。新見と新見を従えていた芹沢鴨が率いる水戸一派も残ってしまった。」
「私達は芹沢さんとは何もかもが合わなくてな…。度々小競り合いを起こしていたんだ。」
「ウマが合う合わねえの問題だけじゃ済まされねえくらいには非道だっただろ。」
「う、う〜む…。」
「私達は、あまりの傍若無人に耐えかねて、会津公のお許しの元、密かに粛清を行いました。」
「それが芹沢鴨?」
「はい。ですが、その前に新撰組の資金を着服したとして新見を粛清しようとしました。ですが、失敗に終わっています。」
「その時に邪魔立てしたのが、昨日お前達が戦ってたアレさ。やたらと強い上に不死身なんだよ。心の臓を刺しても首を切っても死にゃしねえ。見た目もまんま化け物だしよ。」
成程、とレンは納得する。
時間遡行軍が邪魔立てしたのなら、今置かれている状況は偶然ではなく意図的である可能性が断然高い。