第84章 新たな拠点、新撰組
「…いや、新見は違う。」
土方は急に歯切れを悪くさせ、隣の山南を見る。すると山南は近藤を見た。
「うーむ…。」
それを受けた近藤も困ったように腕を組んでしまう。
だが、レンにはぴんとくるものがあった。
「もしかして…、フードの男と繋がってる?」
「ふーど…?ですか?」
小さく呟いたレンの言葉に、山南は不思議そうに首を傾げた。
レンはそれを聞いて、若干の失敗を悟る。
フードはカタカタ用語であり、この時代には無い言葉だ。
「…布地が繋がっている帽子の事です。私達はそういった羽織をフードと呼んでいるので。」
レンはすました様子で隠語の様に言い切る。
正しくはフードコートだが、この際瑣末な事だ。
だが、土方には引っかかるものがあったらしい。不思議そうな顔で小首を傾げる。
「お前達には、珍しいもんじゃねえのか?」
「勿論、珍しいものです。ただ、仲間内で変わった帽子の付いた羽織、と言うには長ったらしいので名前をつけただけです。」
レンは尤もらしい理由を挙げて、その話を切り上げる。
これ以上突っ込まれてはボロが出かねない。
「そのフードを被った男は新見ですか?それとも別の誰かですか?」
この答え如何により、レンの見た人物は確定的になるだろう。
「それは…。…はぁ…、お前は勘がいいんだな。そうだよ、新見はフードの男じゃねえ。そいつとの繋がりがある事は確かだけどな。」
「成程。なら私が見た編笠の男は、新見の可能性が高そうですね。」
「私もその様に思います。」
レンの言葉に山南が頷く。