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君に届くまで

第84章 新たな拠点、新撰組



ふと、彼らを主としていた刀剣達の主自慢を信じてみようか、という思いがレンの中に湧き上がる。

「今から見聞きする事は他言無用でお願いします。」

レンが言うと、彼らは一様に首を傾げた。

「約束できますか?」

再度問うと、顔を見合わせた後、三者三様に頷く。
それを見てから、レンは素早く天井に飛び移りながら影分身を出すと、部屋の隅の四角に隠れる様に蹲った。
レン達は互いの位置を確認する様に頷き合ってから、影分身が外へと出ていく。
レンがその様子を襖の影からこっそりと覗いていると、こちらを伺っていた影が二つ動いた。
どうやらレンをマークする気らしい。
彼らが食いつたのを確認してから、僅かに開けていた襖をそっと閉める。
これで盗み聞かれる心配はない、と短く息をつくと音もなく畳の上に降り立った。

「じゃあ、改めて先ほどの事を…」
「ちょっと待て。」

土方の声にレンが彼らを見回すと、一様に二の句が告げない程の驚き様を見せていた。
その様子に、レンははて、と首を傾げる。

「言ったじゃないですか。今から見聞きする事は他言無用で、って。」

「…確かに聞きましたが…。」

「…ここまで予想外だとは…思わず…。」

「まさか…、あいつら全員それを使えるのか…?」

山南、近藤、土方が怖々聞くと、レンは静かに首を振った。

「これは私だけが使える術です。けど、本当は人に見せてはいけない決まりなので、光忠達にも黙っててください。」

「黙ってて…たって…、」
「約束しましたよね?」

レンが圧をかける様に土方に笑いかけると、彼の顔が分かりやすく引き攣った。

「他にも使える術があるのですか?」

山南の援護の様な問いに、レンはにっこり笑った顔を崩さず、ぐりんと山南に向ける。

「聞かない方がお互いの為かと。」

「わ、分かりました…。」

レンにかかると、最終的に折れるのは相手側である。

「さて、話してください。」

レンが何事もなかった様に振る舞うと、彼等は困惑しながらも席に着いた。

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