第2章 :神業と出立と霹靂(そんな程度の女)
二人が部屋の前まで着いたとき、リヴァイは気になることを聞いてみた。
「一〇四期生のガキどもで、調査兵団を志望している奴はいたか?」
「最初、調査兵団に入る者は一人もいないって訓練兵の子に言われたんですけど」
前置きし、
「一人……いや、二人……」ううん、とは首を横に振る。「もしかすると、三人は入ってくるかもしれません」
「そいつら、骨のありそうな奴だったか?」
「ボクをちょっと感慨深くさせたのが、いま言った三人のうちの二人なんです。でもこの三人、とても絆が強そうだったので、揃って入団してくるんじゃないかなって思ってます」
ドアノブを握ったまま、リヴァイは廊下に消えていきそうな喋り方で訊いた。
「理由を聞いたか?」
「シガンシナ区出身の子たちなんですが、悲惨な現場を目にしたんだそうです。たぶん、それがきっかけなんじゃないかと思うんですけど」
表情を暗くしては眼を伏せた。
「そうか」
それだけ言ってリヴァイは部屋に入ったのだった。
地獄を目にしてなお、調査兵団を志望する三人。もしかすると、とは言っていたが確実に入団してくるだろうと思った。生半可なことで口にできることではないからだ。
「たったの三人か」
ひだになっているカーテンをリヴァイは触れた。
南方駐屯地の一〇四期生はおよそ二百人。それだけいるのに、いまのところたったの三人しかしいないという事実。
死亡者が絶えない調査兵団の人材不足は深刻な問題であった。