第20章 行方不明
グリーンは風になびくピジョットの立髪を撫でている。少し思い詰めた顔になると、静かに言った。
「……お前やNに会って、ナナは変わった」
顔を上げ、いつになくまじめなツラしてオレを見てくる。
「サンキューな。あいつを支えてくれて」
「さっきからなんなんだよ?」
いつもの「オレ様」じゃないと、こっちが調子狂うんだよ。
「前から思ってたんだ。けど、なかなか伝えるタイミングがなくってな」
「ただチームを組んだだけだ。礼を言われる覚えはねえよ」
ぶっきらぼうに答えたオレに、少しだけ笑顔を見せて、グリーンは言った。
「あいつは口には出さねーけど、オレやレッドと幼馴染ってのは相当なプレッシャーだったんだろう。マサラタウン出身ってだけで色眼鏡で見られるしな。だからこそ、オレたちと離れ、自分で探した仲間とチームを組んだのは、あいつにとって必要で、大事な一歩だったんだよ」
さっきから、口を開けばナナのことばかり。
頭の中がナナだらけなのを自覚していない。
大体、オレは感謝されるためにあいつといるんじゃない。
あいつを支える?必要で大事な一歩?
虫唾が走る。
「せいぜいそうやって感傷に浸ってろ。その間にオレがあいつらを見つけ出す」
「ハッハッハ!頼もしいな!」
会話にすっかり気を取られていたが、いつの間にか森を抜けていて、眼下には小さな町並みが見える。グリーンは、ポリゴンフォンで何かを確認してから前方を見据えた。
「んじゃ、オレは向こうに用があるからここまでだ」
そう言って、遺跡や洞窟が多いエリアを指差した。
「本当に休まなくていいのかよ?」
「おう、ワタルとレッドと待ち合わせてるんだ」
これ以上言っても絶対に休まないな。促しても意味はない。
諦めて「そうか」とだけ呟いた。
そうして、グリーンと別れてから、オレも目星をつけていた洞窟へと降り立った。