第20章 行方不明
懐かしむように小さく笑ってから、続ける。
「あいつがトレーナーになってからは、しつこく挑んできてたトキワジムにも急に来なくなって音信不通。連絡もねぇまま数年ぶりにパシオで再会したと思ったら、WPMの準決勝前にまた消えちまった。こっちはずっと振り回されっぱなしだ」
「フン、傑作だな。あいつじゃなくあんたが振り回されてんのか」
「お前もだろ?」
「あんたと一緒にするな」
咄嗟にそう言いつつ、グリーンの気持ちもなんとなくわかる。
わかりやすいくせに予測不能。
近いようで遠い、かと思えば気づけば隣にいたり、ほんと、よくわかんないヤツ。
「まあ、昔からあんたが苦労してんのはわかった」
「だろ?」
わざとらしく肩をすくめている。
「手がかかる幼馴染を持って、あんたも災難だな」
「ああ、それがかわいいんだけどな」
それ以上確信に踏み込ませないように、互いに皮肉を交わして笑い合った。
グリーン、あいつの心にはいつもあんたがいた。
あいつはな、いつもあんたが好きで、誰よりもあんたのことばかり考えている。
あんたにはそれが見えてないんだろうけどな。
そうは思ったが、あいにくそこまで教えてやるほど、オレはお人好しじゃない。