第19章 観覧車
帰ろうと話していた矢先、もうひとつ大事な用事があったのを思い出した。
Nと私で提案した、パシオ限定フレーバーのマラサダをまだ食べていなかった。
というわけで、早速遊園地内にあるマラサダのフードワゴンの列に並んでいると、見知らぬ女性が声をかけてきた。
「すいません!パシオの警備をしている者です!ナナさんとNさんですね!」
警備の腕章を見せて、女の人は軽く会釈した。よほど急いで来たのか、息を切らしてぜえぜえと肩を上下している。
「そうですけど、なにかあったんですか?」
「はい…ヒナギク博士がロケット団に攫われたようです…!」
「えっ…!?」
突然のニュースに、私もNも驚き顔を見合わせた。
護衛のトレーナーがいたはずだし、連絡がなかったのはなぜか確かめると、ひとりでいた隙を狙われたらしいと女の人は言う。
ひとまず、現場検証のために来て欲しいと言われ、Nと一緒に急いで遊園地を出るのだった。