第18章 決戦、看病、そして一夜
もう付き合ってらんねえ。
ベッドから降りようとした、その時だった。
「シルバー!」
突然、勢いよくドアが開かれる。
「ミモザ先生から聞いたよ!具合はど、う…——」
ベッドで並ぶオレたちを見て、ヒビキが石のように固まった。
その後に続く、クリス、コトネも目をまんまるにして直立不動になる。
しばらくして、頬をかきながら、コトネが気まずそうに口を開いた。
「えっと…医務室に泊まってるって聞いたから、重症なのかなって心配して来たけど…」
「元気そうね。安心したけど、驚いちゃった」
「そっか、シルバーとナナは……でもっ、それってつまり…」
ヒビキがこれまでに見たことないぐらい頬を紅潮させている。
あらぬ疑いをかけられている上に、ヒビキたちは準々決勝を控えている。移すわけにはいかないし、寝起きから面倒ごとを考えるのも億劫だった。
「おいお前、もうここから出ていけ。ついでにヒビキたちも連れてけよ」
「ごめんね。私が我慢できなかったせいで、寝込んでいるシルバーくんの…」
誤解を招く発言に、病室がざわつく。
「ナナちゃん!それ詳しく聞かせて!」
「コトネ、詮索しないの」
「ダメだよシルバー!そんなことしたらナナに風邪移っちゃうだろ?」
「ああもうっ、うるせえ!みんな出てけッ!!」
怒るオレと慌てるナナに、ひやかすヒビキたち。
そんな騒がしい室内で、Nだけはニコニコと楽しげに頬杖をついてオレたちを見守り、爽やかな朝のティータイムを満喫していた。