第18章 決戦、看病、そして一夜
長きに渡り開催されていた第2回WPMは、ついに決勝トーナメント進出の8チームが決定した。
その決勝トーナメントの準々決勝。ルザミーネさん、リーリエちゃん、グラジオくんのチームと私たちは死闘を繰り広げていた。
「舞え!ホウオウ!」
ホウオウは声に応えるように、傷だらけになりながらも優雅に美しく羽ばたいた。シルバーくんはホウオウにバディストーンをかざす。
「わたくしも、もう後がない。ならばゼンリョクで迎え撃つまで…!」
そう高らかに告げたルザミーネさんのバディストーンも、同時に虹色に輝いた。
私とNは戦闘不能になったバディに寄り添い、勝負の行方を見守っていた。
「次で決まるね」
隣にいるNが呟く。
両チームとも残り一組のバディーズ。
Nの言う通り、恐らく次の攻撃が勝敗を決するだろう。
ホウオウはせいなるほのおを生み出し、フェローチェは幾重もの糸を吐き出してホウオウを捕えようとする。
(シルバーくん…ホウオウ…がんばって…!)
祈りに意識を預けきっていたそのさなか、両者の渾身の一撃がぶつかった。刹那、視界が真っ白になるほどの眩い光に覆われる。固くまぶたを閉じたのと同時に衝撃音が耳をつんざき、やがて、静寂が訪れた。
「そこまでだ!」
ライヤーさんの声が響き渡った。
恐る恐る目を開けると、ホウオウもフェローチェもスタジアムの床に倒れている。どちらも動く気配はない。
緊張で吐く息が震える。
「…引き、分け?」
スタジアム中がしんと静まり返る中、隣のNに小さな声で問う。
「いいや——」
直後、観客席のどよめきがNの声をかき消した。
動いたのはホウオウだった。
ホウオウはゆっくりと起き上がると、その勇姿をスタジアム中に見せつけるかのように、翼を大きく広げて鳴き声を轟かせた。