第11章 お祭り騒動
会話を続けながら、繊細な手つきで私の髪を撫でてくる。うなじに指先が流れて、思わず肩がぴくりと震えた。
「っ…くすぐったいっ」
「悪いっ」
シルバーくんの手が止まる。なんだか今夜はシルバーくんに謝られてばかりな気がする。
「どこに刺すんだよ?」
「ここら辺」
と言って、後頭部を指差す。
「まとめてアップにしてるここに、落ちないように斜めに刺す感じ」
「わかった」
シルバーくんは髪を押さえながら、かんざしをそっと刺し込んだ。
「どうだ?」
コンパクトミラーで確認する。位置も向きもバッチリだ。
「ありがと。で、あの、これは?」
かんざしのすぐ下に、見覚えのない羽根飾りがついている。
「お詫びにやるよ。ホウオウがくれた羽根だ」
「え、いいの!?」
「いいから付けたんだろ。いらないなら返せ」
「いるから返しません」
お礼を言いながら、嬉しくてもう一度ミラーで頭の後ろを見る。首を振ると、かんざしとにじいろのはねがキラキラと揺れた。
「お守りにして持ち歩こうかな」
「フン…大袈裟なヤツだな」
口ではそう言いながらも、顔つきはどこか優しい。
シルバーくんの横に座るニューラもなんだか嬉しそう。もうわるだくみをする気配はない。
「結局、ニューラはどうしてかんざしを取ったんだろ?」
「さあな。でもお前の言う通り、オレとニューラは似たもの同士なのかもしれないな」
「でしょ?ポケモンとトレーナーって似るよね」
「ああ、欲しいものは奪ってでも手に入れようとするところとかな」
そう呟き、不敵な笑みを浮かべるシルバーくん。そんな彼をジト目で睨み返した。
「それはダメです。人のものを取ったらドロボウだよ」
清々しいほどに単純明快な正論をぶつけると、シルバーくんは呆れたようにこちらを見下げてくる。