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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第98章 気付かないふりをするのがマナーでは?




コンコンコンと、丁寧なノックが部屋に響く。私は弾かれるようにして、背中側に位置する扉の方を振り向いた。
そこには虎於を筆頭に、トウマと悠の姿があった。


『どうしてここに』

「ちょうど良かったよ!君達にも訊きたいことがあったんだ」


驚く私を他所に、了は すぅと目を細くして3人に問う。


「彼は、巳波の件は自分1人が仕出かしたことだって言い張ってるんだよねぇ。でもそれって、本当なのかな?
実は君達も…一枚噛んでたんじゃないの?」


ぐっと、3人が息を飲む気配がする。どう答えるべきが、考えあぐねているようだ。
私は立ち上がり、彼らの隣に移動する。どうか、いらぬ事を言わないで。無言の目で訴えた。やがて、悠が意を決して口を開く。


「オレは…オレ達は、巳波のノースメイア行きに協力し」


私は、手にしていたファイルで悠の後ろ頭をスパコーンと叩いた。了を始め、虎於もトウマも目をまん丸にする。
悠は叩かれた場所に手をやりながら、隣に並ぶ私に食って掛かった。


「いっ!?な、何すんだよ!このバカ春人!」

『あぁすみません。貴方の後ろ頭にでっかいゴキブリがいたのでつい』

「は!?い、いや!だとしたら、オレの頭でグチャってなってるじゃん!さっきの強さで叩いたら!」

「えぇ!?ゴキブリ!?それは大変だ!すぐにバルサンを大量に焚いてゴキジェットも用意しなくっちゃ!
…まぁそれは、お前達の答えを聞いてからでも遅くない」


強く唇を噛み締めて、俯くトウマ。虎於が、一歩前に出て平然と告げる。


「俺達は知らなかったぜ。ほら、これでいいんだろ」


彼は了に言った。しかし、これでいいんだろ と言う台詞は、私に告げられたものと思って間違いないだろう。心の中だけで密かに、虎於へ花マルを贈った。


「…あっははー!だよね?いやぁー疑っちゃってごめんごめん!それじゃやっぱり、罰を受けるのは…
お前、1人だ」

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