第93章 選んだのは、こういう道だろ
私の仕事部屋に、彼らは既に集まってくれていた。ソファに腰を落ち着けていた3人。しかし、頭の包帯を見るなり楽がこちらに駆け寄ってくる。
その怪我どうしたんだ!と詰め寄り、肩を掴もうとした楽の腕を、龍之介が取る。
「楽、春人くん頭だけじゃなくて肩も怪我してるんだ。触らないであげて」
「おま…っ!はぁ…なんだって、あんたはそんな生傷が絶えねぇんだ」
「それで?龍はもう、その怪我の理由を聞いたの?」
「聞いてない。これから皆んなと一緒にゆっくり聞かせてもらうところ」
『話しますよ、話しますから!3人とも、そう睨まないでください』
2人がけのソファに、私と天が並んで座る。その前に、楽と龍之介が腰掛けた。
まずは、Re:valeのことに触れる。彼らが、どんな想いで愛着ある事務所を離れたのか。そして流れは、昨日 私が怪我をした経緯に移っていく。
『私はそこで、了という男の本性を見ました。彼は、キレると平気で犯罪行為に手を染める男だということ。
その手はいつか、貴方達にまで及ぶかもしれない。それは、Re:valeやIDOLiSH7のメンバーにも言える。
もう、アイドルがどうこうじゃない。貴方達の命そのものが、危ないんです』
私の真剣な言葉に、真摯に耳を傾けてくれる3人。彼らもまた、了の本質を見抜けていなかったのだろう。明るみになった真実を飲み込もうと、必死の様子だ。
心を鬼にして、さらに彼らが聞きたくないであろう言葉を口にする。
『そんな光景を目の当たりにして、私はやっと決心しました。守りに徹していては、駄目なんだと。彼を本気で止めるなら、彼と真正面から向き合わなくてはいけないと。
だから私は、ツクモに行きます』